科学・技術研究
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原著
慣性航法を用いたランニング運動解析機器における妥当性の検証
古川 雄大水落 俊一杉田 正明
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2017 年 6 巻 1 号 p. 47-54

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抄録

本研究は、3軸の加速度センサーとジャイロセンサーを搭載した慣性航法を用いたランニング運動解析機器(センサー機器)と既存の三次元運動解析システム(VICON社製 VICON)を用いて走動作の分析を行ない、得られた指標値の比較からセンサー機器の運動解析機器としての妥当性を明らかにすることを目的とした。運動習慣のある健全な成人男性5名を対象とし、約20 mの走路を低速(約3.33 m/s)、中速(約4.17 m/s)、高速(約5.56 m/s)で走行させ、その際の走動作を、腰部に装着したセンサー機器とVICONを用いて測定した。その結果、走速度、上下動、接地時間、ブレーキ、着地角度および蹴り出し角度において級内相関係数(ICC)が0.9以上を示し、桑原ら(1993)の評価基準では’’優秀’’であった。また、Bland-Altman分析においても、各指標値の一致度は高い水準を示した。さらに、いくつかの指標値においてはVICONよりも精度よく測定している可能性が示された。これらのことから、センサー機器から算出された解析指標値は既存の運動解析機器との一致度が高く、運動解析機器としての妥当性が認められた。

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