抄録
MALLS (Medium And Low-dispersion Long-slit Spectrograph) は兵庫県立大学西はりま天文台の 2m なゆた 望遠鏡に搭載されているロングスリット分光器で、 3 つの回折格子を切り替えることで低分散 (R (= λ/∆λ) ∼ 600 )から中分散 (R ∼ 10,000) までのモードで分光観測できる装置である。 2018 年にエシェルとクロス ディスパーザをインストールし、エシェルモードでの観測を可能にした。初期のエシェルモードでの性能 ̊ のスペクトルが得られ、効率は中分散 を調査した結果、波長分解能 (R) は約 35,000 、波長域は 4960–6800 A モード (1800 本グレーティング ) の 3 分の 1 程度であることがわかった。これは V < 8 等級の比較的明るい星 の化学組成などの調査に十分な性能である。