聖マリアンナ医科大学雑誌
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症例報告
発達遅滞を契機に発見されたビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血を呈した乳児例
塚原 歩慶野 大須藤 明希菜新井 奈津子宇田川 紀子森 鉄也山本 仁
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2019 年 47 巻 2 号 p. 73-78

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抄録

ビタミン (Vit) B12は主に動物性食品に含まれており,DNA合成,赤血球造血,神経機能の維持に必須となる水溶性Vitである。VitB12は健常母体から出生した乳児においては在胎中に肝臓で貯蔵されるため,VitB12欠乏性巨芽球性貧血は,小児期発症は稀であるが,貧血以外に精神運動発達遅滞を認めることがある。今回,われわれは発達遅滞を契機に診断したVitB12欠乏性巨赤芽球性貧血の乳児例を経験したので報告する。症例は10か月女児で,“笑わない”と発達遅滞を主訴に受診した。初診時まで離乳食は進まず,母乳栄養。母は外国人で菜食主義であった。血液検査で大球性貧血と汎血球減少,骨髄検査で巨赤芽球の出現を認めた。血清VitB12が低値であり,VitB12欠乏性巨芽球性貧血と診断し,経口VitB12製剤の内服を開始したところ汎血球減少の改善を認めたが,軽度精神発達遅滞が残存している。発達遅滞の原因の鑑別にVitB12欠乏を挙げる必要があり,菜食主義者の出産・母乳育児の際はVitB12摂取の必要性を啓発する必要があると考えられた。

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© 2019 聖マリアンナ医科大学医学会
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