日本口腔科学会雑誌
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下顎前突症における下顎枝矢状分割術術後の骨性治癒について
CTの3次元構築画像による計測
根本 敏行秋月 弘道道 健一
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2001 年 50 巻 4 号 p. 227-241

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抄録

下顎枝矢状分割術後の骨片の分割, 固定状態と骨性治癒との関連を明らかにすることを目的に行った。
対象は, 当科において下顎枝矢状分割術を施行した下顎前突症例の12例, 24側を対象とし, 術直後と術後1年の3次元CT像により観察した。
結果は, 1年後の下顎枝前縁・後縁の形態は, 平滑型 (近遠位骨片辺縁が識別不能で滑らかに移行しているもの) は下断面で多く認められた (70.8%) が, 上断面では, 平滑型は少なく (39.6%), 階段型 (近位および遠位骨片のどちらかが突出し階段状となったもの) が多く (43.8%) 認められた。また, 陥凹型 (骨片間に間隙がみられ陥凹した形態のもの) は上下断面ともに前縁に多く認められた。
下顎枝後縁形態と近遠位骨片の分割状態との関係では, 下断面においては, 下顎枝後縁まで分割されると階段型が, 後縁よりも近位で分割されると平滑型が多い結果であった。
下顎枝前縁・後縁形態と骨片間距離との関係では, 陥凹型, 階段型, 平滑型の順で骨片間距離が大きかった。また, 陥凹型は骨片間距離の平均が6.1mm以上の症例において認められた。
遠位骨片の後方突出量と下顎枝後縁形態との関係については, 上断面では後方突出量は階段型, 平滑型, 陥凹型の順で大きく, 下断面では, 階段型, 陥凹型, 平滑型の順で大きくなっていた。また上下断面ともに, 階段型は後方突出量が5.3mm以上の症例で認められた。
以上の結果より, 骨片の間隙が大きい場合や分割面が下顎枝後縁まで分割され後縁突出量が大きくなる場合には, 術後1年経過しても解剖学的形態でないものが認められた。

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