2012 年 25 巻 1 号 p. 91-97
高知医療センターでの移植腎IgA腎症5例への扁摘・パルス療法2年予後成績を報告する. 検討項目は, 尿潜血, 尿蛋白, eGFR, 腎病理組織所見である. それぞれの項目で, 手術時の所見と比較した. 尿潜血及び尿蛋白定性は全例陰性であったが, 尿蛋白定量は1例異常を示した. eGFRは1例悪化していた. eGFR悪化例は, 慢性拒絶によるものと判断した. 全症例で早期の血尿陰性化や, 2年後も再発がないことより, 総合的に判断して2年後も本療法は有効と考えた.