口腔・咽頭科
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原 著
当科における舌癌I・II期症例の臨床的検討
菊池 恒西野 宏今吉 正一郎笹村 佳美市村 恵一
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2013 年 26 巻 2 号 p. 155-160

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抄録

10年間に当科で初回から治療を行った,舌癌のI・II期症例について臨床的検討を行った.
年齢は31歳から85歳,男性24名,女性15名.I期症例は全例舌部分切除を行った.II期症例は深部浸潤により頸部郭清術や舌亜全摘出術+再建術を組み合わせた手術を行った.Kaplan-Meier法による5年生存率はI期85.6%,II期72.7%であった.
再発例はI・II期合わせて12例にみられた.うち8例に頸部リンパ節転移をみとめたが,救済手術が可能だった症例は3例のみであった.I・II期舌癌では術後1年以内の頸部リンパ節転移の可能性が高く,これを念頭に起き外来での厳重な経過観察が必要と考えられた.

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© 2013 日本口腔・咽頭科学会
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