口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
原 著
重粒子線治療が有効であった顎下腺唾液腺導管癌 (salivary duct carcinoma) の1例
小野田 友男牧野 啄丸小山 貴久石原 久司平井 悠春名 威範假谷 伸西﨑 和則
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 26 巻 2 号 p. 207-210

詳細
抄録

唾液腺導管癌 (Salivary Duct Carcinoma, 以下SDC) は唾液腺癌のなかでも数%とまれではあるが, 早期に局所再発やリンパ節転移, 遠隔転移をきたす悪性度の高い腫瘍である. 放射線治療, 化学療法は効果が乏しく, 外科的切除が治療の中心となり, 切除不能例は予後不良となる. 今回, 我々は三叉神経浸潤をきたし切除不能と診断した顎下腺SDCに対し, 重粒子線 (炭素線) を照射し, その後頸部郭清を行った. 顎下腺のSDCは大部分が壊死に陥るほどの高い効果が認められた. 治療後, 2年6ヵ月経過した現在, 明らかな再発を認めていない.

著者関連情報
© 2013 日本口腔・咽頭科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top