2016 年 29 巻 2 号 p. 189-193
IgA 腎症では腎移植後の原病再発が平均6-8年までに約40%と高率に生じ移植腎の生着率を下げることが問題となっている. 腎移植後に再発した IgA 腎症に対しても扁摘ステロイドパルス療法の有効性が示唆されており, 当院では IgA 腎症で腎移植をうけた後の扁摘未施行患者に対しては予防扁摘を施行している. これまでに39例, 最長経過観察期間5年を経過したが, 全例で, 臨床的・病理学的に再発を認めていない. 術後出血・術後感染の頻度についても, 通常の扁摘と比較して有意差は認められなかった.