口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
原 著
味覚異常を呈したCronkhite-Canada症候群の 4 症例
任 智美梅本 匡則福永 明子西井 智子前田 英美阪上 雅史
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 30 巻 1 号 p. 135-141

詳細
抄録

 Cronkhite-Canada 症候群 (CCS) は消化管ポリポーシスと吸収不良が主な病態で, 脱毛, 爪甲異常, 味覚異常, 色素沈着, 消化器症状, 体重減少が現れる. 今回, 当科で経験した CCS 4 例について報告する.
 随伴症状は 3 例で体重減少, 下痢などがみられたが, 1 例は味覚異常のみであった. 初診時の血清亜鉛値は 58μg/dl, 64.3μg/dl, 72μg/dl, 108.7μg/dl で全例ポラプレジンク内服中であった. 濾紙ディスク法では 3 例が高度障害であった. 全例ステロイド内服開始後 1-2 ヵ月で味覚症状は治癒したが, 2 例はステロイド減量により再燃し, 改善悪化を繰り返した. 再燃時の症状も味覚異常が最も早期であった.
 CCS の 80% は味覚症状が初発であったと報告されている. 味覚症状は治療効果判定や再燃の指標になり得ると思われた.

著者関連情報
© 2017 日本口腔・咽頭科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top