口腔・咽頭科
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原 著
超音波凝固切開装置および血管マイクロクリップを用いて切除した頸動脈小体腫瘍の 1 例
相原 勇介佐藤 宏樹岡本 伊作清水 顕高瀬 聡一郎平澤 一浩塚原 清彰
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2017 年 30 巻 2 号 p. 251-256

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抄録

 頸動脈小体腫瘍は頸動脈小体から発生する傍神経節腫である. 根治法は手術だが, 出血や, 頸動脈損傷, 下位脳神経障害などのリスクを伴う. 症例は38歳女性. 画像検査で48mm 大の頸動脈小体腫瘍と診断した. 術当日の血管造影で, 総頸動脈造影で著明な腫瘍濃染を認めた. Feeder の一つであった上行咽頭動脈を塞栓後, 手術を施行した. 腫瘍は Shamblin 分類の Group IIIの腫瘍で, 血流豊富であった. 超音波凝固切開装置, 血管マイクロクリップを用いることで出血はコントロール可能であった. 手術時間3時間52分, 出血量322mlで, 術後合併症は認めなかった. 機器の工夫にて安全かつ比較的少ない出血量で手術可能であった.

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© 2017 日本口腔・咽頭科学会
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