口腔・咽頭科
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原 著
経口的瘻管摘出術を行った梨状陥凹瘻の 2 例
犬塚 義亮冨藤 雅之荒木 幸仁田中 伸吾中森 祐里和塩谷 彰浩
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2017 年 30 巻 2 号 p. 261-267

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抄録

 下咽頭梨状陥凹瘻に対する根治治療として, 従来から外切開による瘻管摘出術が行われており, 近年経口的瘻孔焼灼術の報告も見られる. 当科において, 咽喉頭領域における内視鏡手術TOVSによる経口的瘻管摘出術を, 小児例を含む2症例に対して施行した.

 TOVS による瘻管摘出術は, 瘻管摘出および粘膜縫合を行って感染経路を遮断することで根治性を得られると考えられ, かつ経口的手術のため低侵襲であり審美面でも有利である. また頸部に高度の瘢痕化が予想される症例においても瘻管の咽頭開口部を同定しやすく, 手術操作にも支障がないという利点もある. 短い瘻管が本手術の適応であるが, 成人のみならず小児例までその適応を拡大しうることが示された.

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© 2017 日本口腔・咽頭科学会
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