口腔・咽頭科
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原著
当科における耳下腺癌症例の臨床的検討
近藤 敦黒瀬 誠高野 賢一氷見 徹夫
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2018 年 31 巻 1 号 p. 107-111

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抄録

1998年から2015年までの間に当科で一次治療として手術を行った37例の耳下腺癌症例を対象として臨床的検討を行った.性別は男性21例,女性16例で平均年齢は61.6歳(18〜81歳)であった.T分類の内訳はT1が10例,T2が12例,T3が6例,T4aが9例であった.病期分類の内訳はstageⅠが8例,stageⅡが11例,stageⅢが4例,stageⅣが14例であった.全体の5年疾患特異的生存率は82.3%であり,予後不良因子はT4,stageⅣ,頸部リンパ節転移陽性,組織学的高悪性度,顔面神経麻痺であった.37例中10例で再発しうち6例で死亡した.死亡例6例中5例の死因は遠隔転移であった.予後の改善のためには術後補助療法の徹底と遠隔転移の制御が重要であると考えられた.

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© 2018 日本口腔・咽頭科学会
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