口腔・咽頭科
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原著
舌根部に発生した神経鞘腫の1症例
佐藤 有記島津 倫太郎倉富 勇一郎
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2018 年 31 巻 1 号 p. 119-124

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抄録

4.5cmの舌根部神経鞘腫に対し,直達喉頭鏡を用いて摘出した1例を経験した.症例は44歳男性,偶然に舌根部腫瘤を指摘され当科受診した.腫瘍は舌根部尾側の喉頭蓋近傍に基部を持つ4.5cm大の腫瘍で,気管切開の後,直達喉頭鏡を用いて摘出術を施行した.術後病理組織検査の結果,神経鞘腫(Antoni A型)の診断となり,術後の神経脱落症状も認めず経過良好である.舌根部に発生した神経鞘腫は比較的稀な疾患であり,腫瘍の発生部位と大きさに応じた術式の選択が必要である.自験例のように舌根部尾側に生じた比較的大きな舌根部腫瘍に対しても手術侵襲の大きい頸部外切開ではなく,直達喉頭鏡を用いることで安全かつ確実に摘出可能であると考える.

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© 2018 日本口腔・咽頭科学会
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