口腔・咽頭科
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原著
悪性腫瘍との鑑別を要した薬剤性歯肉増殖症の一例
徳永 貴広加藤 幸宣成田 憲彦藤枝 重治
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2018 年 31 巻 2 号 p. 203-207

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抄録

薬剤性歯肉増殖症は薬物の服用に伴って現れる歯肉の増殖であり,原因薬物として抗けいれん薬,免疫抑制薬,カルシウム拮抗薬が知られている.我々は悪性腫瘍との鑑別を要した薬剤性歯肉増殖症の一例を経験したので報告する.症例は68歳男性.上・下歯肉の腫脹に対し前医の生検および画像診断で悪性腫瘍が疑われたため,当科紹介となった.腫脹は歯肉全体に及んでおり,再生検を行ったところ悪性所見は認めず,問診でニフェジピンを内服していることが判明したため,薬剤性歯肉増殖症を疑った.内服薬剤の変更および歯科でのプラークコントロール指導などの歯周基本治療を行ったところ,腫脹は改善したため,薬剤性歯肉増殖症と確診した.

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© 2018 日本口腔・咽頭科学会
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