2018 年 31 巻 2 号 p. 209-215
局所進行頭頸部癌に対する初回治療として,放射線療法に対するセツキシマブの上乗せ効果は第Ⅲ相試験(Bonner study)で示されている.本研究では当院治療例27例を後方視的に解析した.男女比:22対5.年齢中央値:74歳.病期:stage Ⅲが3例,stage Ⅳが24例であった.奏効率は92.6%であったが,生存期間の中央値は15ヵ月であった.入院期間の中央値は53日で,重回帰分析で入院期間と相関が認められたのはそれぞれ経鼻胃管挿入とCV catheter挿入であった.入院期間の短縮には栄養介入による粘膜炎の管理が重要であると考えられた.