口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
原著
上咽頭擦過療法検討委員会の評価法による慢性上咽頭炎治療成績の検討
大野 芳裕
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 35 巻 2 号 p. 138-145

詳細
抄録
慢性上咽頭炎154例に対して上咽頭擦過療法(EAT)を施行し,自覚症状および内視鏡所見の評価を行った.現在上咽頭擦過療法検討委員会による前向き研究(前向研)が行われており,内視鏡所見では色調,腫脹,粘液付着・後鼻漏,擦過時の出血を3段階で評価する方法となった.以前の検討(2020研)では発赤(色調),腫脹を4段階で評価したため,これを前向研の評価法に当てはめて比較検討した.前向研では色調,腫脹の改善率は54.6%,48.6%であった.合計スコアの改善率は2020研94.2%,前向研93.5%で,出血を除いた合計スコアの改善率はそれぞれ81.8%,75.3%となった.いずれの検討でも発赤・出血・合計スコアの改善と主訴の改善との間に有意な相関を認めた.今回は2020研から症例数を増やして治療効果の再検討も行った.
著者関連情報
© 2022 日本口腔・咽頭科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top