抄録
耳下腺腫瘍は術前評価で良性と診断された場合,患者の希望等により手術の施行までに長期を要することが経験されるが,どの段階で手術を強く勧める必要があるのか明確な基準は存在しない.そこで,手術時期を判断するための条件を検討することを目的に,当科で耳下腺腫瘍切除術を行った61例について検討を行った.結果,腫瘍が耳下腺上極に存在あるいは最大腫瘍径が25mm以上の症例では術後顔面神経麻痺のリスクが高く,より早期での手術が望ましいと考えられた.またワルチン腫瘍以外の組織型が考えられる場合や,疼痛や可動性不良,腫瘍の増大を認める場合には,悪性腫瘍の可能性を念頭に早期の手術を勧めるべきと考えられた.