口腔・咽頭科
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ガマ腫に対するOK-432嚢胞内注入療法
深瀬 滋太田 伸男稲村 和俊青柳 優
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1998 年 10 巻 3 号 p. 297-305

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抄録

OK-432嚢胞内注入療法は手術の難しい嚢胞状リンパ管腫の治療法として開発されたものであり, 現在本疾患の第一選択の治療法になりつつある.われわれは本法を10例のガマ腫患者 (口腔底型: 5例, 顎下型: 5例) に施行した.その結果, 全例でガマ腫の消失・縮小が認められ, 治療局所に瘢痕等の形成は全く認められなかった.副作用として, 注入局所の疼痛と発熱 (37~39℃) が認められたが鎮痛解熱剤の投与にて数日以内に消失した.最初は数日間の入院にて治療を行ったが, 安全性が確認された後は外来通院にて治療を行うことが可能であった.OK-432嚢胞内注入療法はガマ腫に対しても, 安全かつ極めて有効な治療法であることが確認された.

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