口腔・咽頭科
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耳下腺粘表皮癌の臨床病理学的検討
安松 隆治平川 直也檜垣 雄一郎山本 智矢冨田 吉信
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2000 年 12 巻 2 号 p. 227-232

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抄録

1972年から1997年までに当科で治療を行った耳下腺原発粘表皮癌症例12例を対象として, Ki-67, p53の発現を免疫組織学的手法を用いて検索し, 予後を含めた臨床病理学的諸因子と比較検討を行った.
MIB-1 LI (Ki-67発現率) の平均は9.6%であり, P53の発現率は67%であった.病理組織学的悪性度別では, 高悪性度群は低悪性度群に比べて有意にMIB-1LIが高値であった.臨床病期分類別のMIB-1 LI平均値には統計学的有意差は認められなかった.p53については, 病理組織学的悪性度別, 臨床病期分類別ともにその発現率に有意差は認められなかった.
累積5年生存率について検討を行った結果, MIB-1 LIが10%以上の群は, 10%未満の群に比べて有意に不良であった.MB-1 LIは耳下腺粘表皮癌における有用な予後因子の1つと考えられた.

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