2003 年 15 巻 3 号 p. 325-334
掌蹠膿疱症, IgA腎症, 小児習慣性扁桃炎や小児睡眠時無呼吸症候群, 滲出性中耳炎に対する扁摘やアデノイド切除に関し, 耳鼻科, 皮膚科, 腎臓内科, 小児科を対象にアンケート調査を行った.回答率は全体で約41%であった.掌蹠膿疱症やIgA腎症に対する扁摘の有用性は耳鼻科に比べ皮膚科, 内科で低かった.習慣性扁桃炎に対する保存的治療に対して経過は耳鼻科より小児科で長い一方, 小児科の閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対しては年齢を問わず手術を勧めていた.滲出性中耳炎を合併する症例に対してX線検査や治療経過, 上咽頭ファイバー等で手術を決定する傾向が見られた.病巣感染症に対して病巣除去の有効性を更に啓蒙し, 小児には負担と治療効果を考慮し手術時期を検討する等, 各科相互の連携の必要性が明らかになった.