口腔・咽頭科
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形態診断による成人の睡眠時呼吸障害に対する治療選択
菊池 淳伊豆丸 慎介坂本 菊男佐藤 公則中島 格
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2008 年 20 巻 3 号 p. 311-325

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抄録

成人の睡眠時呼吸障害 (SDB) の治療選択について検討した. まず睡眠障害の診断・治療には, 終夜睡眠ポリグラフ (PSG) が必要であり, 呼吸障害の診断・治療には形態診断が必要である. 形態診断の要点は, (1) 軟口蓋低位 (2) 舌根後退 (3) 扁桃肥大 (4) 小顎・下顎後退の有無である. この結果とPSG所見, さらに症例の年齢, 合併症などを考慮し治療を選択する. これに睡眠障害があればその治療を加える. この方法で標準的な治療の確立が可能であり, 咽頭手術, 口腔内装置, CPAP各々の治療効果も向上した. SDBの診療では, 形態診断を正確に, かつ比較的容易に行える耳鼻咽喉科医の役割は大きいと考えられる.

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© 日本口腔・咽頭科学会
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