口腔・咽頭科
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口腔咽頭潰瘍性病変の病因と予後の検討
沖中 芳彦平田 哲康守谷 啓司木戸 利成今手 祐二大上 研二下郡 博明
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キーワード: 潰瘍性病変, 病因, 予後
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1996 年 8 巻 2 号 p. 231-238

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抄録

口腔咽頭潰瘍症例143例について, 病因と予後 (治癒までの期間) を検討し, 以下の結果を得た.
1.71例 (49.7%) は病因が不明であった.
2.口腔咽頭の感染症や外傷に伴う潰瘍の予後は良好であった.
3.4週間以上潰瘍が持続するものでは, 悪性疾患や自己免疫疾患の頻度が高くなった.特に悪性リンパ腫や天疱瘡などとの鑑別が重要である.
口腔咽頭潰瘍性病変の診療にあたっては, 各種原因疾患の存在を認識し, 口腔咽頭潰瘍が部分症状となっている悪性疾患や全身的疾患を見逃すことのないよう, 十分な観察と検索が必要である.

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© 日本口腔・咽頭科学会
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