口腔・咽頭科
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口蓋扁桃摘出術が有効であったIgM腎症の2症例
一宮 一成末永 智茂木 五郎平松 美佐子
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1996 年 8 巻 2 号 p. 255-260

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抄録

IgM腎症の2症例に対して口蓋扁桃摘出術を行った.症例1は8歳男児, 症例2は11歳女児で, 肉眼的血尿と蛋白尿をそれぞれ7年間, 8ヵ月間認め, 腎生検でIgM腎症と診断された.両症例とも扁桃炎の既往があり, 口蓋扁桃摘出術を施行, 術後に尿所見は改善した.
扁桃の病理検査では著明な線維化と胚中心の発達不良を認めた.免疫組織学的には陰窩の上皮下にS-100陽性樹状細胞数の減少を認めた.IgM腎症は扁桃における, ある種の免疫制御機構の障害に関連した疾患である可能性が示唆された.

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