抄録
掌蹠膿疱症患者皮膚膿疱部より回収したtRNA 0.5mgよりRT-PCRをもちいてTCR Vβusageの解析を施行した.6症例においてエチジウムブロマイド染色で多種のTCR Vβ usageが検出され, サザンプロット法後のオートラジオグラフィーで確認された.検出率が50%以上であったのは, TCR Vβ1, Vβ6, Vβ7, Vβ8, Vβ20であった.このうち, Vβ6は6例中全例に検出された.膿疱部皮膚において特定のレパトアの傾向が高頻度に検出された事実は局所においてこれらのTCRが認識する特定の抗原もしくはスーパー抗原の存在を示唆するものと仮説され, 今後の扁桃病巣感染における交叉抗原の存在を考察する上で重要と考えられた.