口腔・咽頭科
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上部副咽頭間隙の腫瘍に対する手術アプローチの検討
行木 英生塩谷 彰浩加藤 高志神崎 晶宮川 昌久加納 滋
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1996 年 8 巻 3 号 p. 423-430

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抄録
冠状断CT画像上で翼状突起外側板の下端の高さを境界線として副咽頭間隙を上部と下部に分けた場合に, 上部副咽頭間隙を占拠する腫瘍に対する手術アプローチとして適切なものは何かを, 最近の10年間に経験した腫瘍26例を対象に検討した.上部副咽頭間隙に発生あるいは進展した腫瘍がとくに外側翼突筋に癒着あるいは浸潤している場合, あるいは悪性の場合は, 下顎骨離断法あるいは顔面側方到達法に側頭下窩法を併用する複合法により腫瘍の一塊摘出が可能であった.また, 良性腫瘍が外側翼突筋の下面に接する程度であるならば, 頸部皮膚切開法により摘出は可能であった.間隙原発腫瘍の予後は良好であったが, 周囲からの進展悪性腫瘍では50%の症例が死亡した.
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© 日本口腔・咽頭科学会
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