1997 年 9 巻 3 号 p. 521-525
唾液が分泌する際に筋上皮細胞におけるアクチン線維束が形態学的にどのように変化するのかを直接観察することを目的に, 共焦点レーザー顕微鏡を用い塩化アセチルコリンによるラット顎下腺アクチン線維束の変化を観察した.塩化アセチルコリン投与時では腺房はやや大きくなり分泌は亢進するが, その際筋上皮細胞のアクチン線維束は幅が太くなり線維が密になることが共焦点レーザー顕微鏡下に観察された.したがって筋上皮細胞は唾液分泌の際に, アクチンの形態を変化させることによって唾液流出を促進する作用があることが形態学的に推察された.