水利科学
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一般論文
地球温暖化に起因する気候変動による世界の水資源量及び社会的影響の予測に関する研究(Ⅰ)
大平 一典
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2012 年 56 巻 5 号 p. 35-57

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抄録

食料の多くを海外からの輸入に頼っている日本は,世界各国が気候変動によって蒙る様々な影響と無縁ではない。本研究は,気候変動による世界の水資源量と食料生産に関する推計モデルを作成し,世界の水の安全保障の観点から我が国の技術的な貢献の在り方について検討することを目的とするものである。 農産物の生産量に関する本推計モデルは,気温上昇による耕作品種の転換や洪水による減収が反映されていないこと,「実際の収穫量は農業用水の充足度のみに左右される」との仮定が前提となっていることなど改良すべき点はあるが,気候変動による降雨量の変化や将来の水資源開発を含む灌漑用水の増減が生産量の推計に反映できるものとなっている点が特筆すべき特徴である。

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© 2012 一般社団法人 日本治山治水協会
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