水利科学
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一般論文
市街地生活圏における土壌表層部に含まれる飛散・流動性の高い微細土粒子の化学成分特性と環境へのリスク性(その1)
山口 晴幸酒井 裕美
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2019 年 63 巻 1 号 p. 53-92

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抄録

車両・工場・焼却施設等から排出される排気ガスや煤煙・煤塵からの窒素・硫黄酸化物を始め,PM2.5などの微小粒子状物質や生活環境の中で幅広く使用されている重金属類等の有害化学物質は,発生源の特定が難しい非特定供給源の汚染物質となる場合が多い。それらは大気汚染の誘発に留まらず,ひいては地表面に降下して吸着・沈着し,土壌・水質汚染等を引き起こすことが指摘される。特に,巻き上げ・飛散や降水による流出・移動性の高い土壌表層部に含まれる粒径75μm 以下の微小粒径土粒子,所謂「微細土粒子(マイクロ土粒子75)」は有害化学物質の吸着性が高く,経口摂取による健康被害や河川・海洋等の水系に流出して,二次的汚染因子となることが懸念される。 本稿では,人為的活動の活発な市街地生活圏での園地,砂場,グラウンド等の地表面の表層部土壌を対象に,特に,土壌に含まれている微細土粒子(マイクロ土粒子75)に着目して,基本的な土質・化学物性を始め,構成する主要元素・酸化物成分組成や重金属類等の含有・溶出性に関する化学成分特性の解明を試みている。さらに,土壌の環境化学的評価への解釈・議論に役立てるために,酸化物成分組成に基づいた新たな土壌分類方法を考案している。

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© 2019 一般社団法人 日本治山治水協会
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