2021 年 65 巻 1 号 p. 63-72
広範囲の事業区域に対して事前防災を検討する際は,事業優先度を検討し,優先度の高い箇所から事業に着手していくことが望ましいが,これまでは優先順位の選定を行う明確な手法がないため,事業要望に基づき着手してきた。 今回,従来の手法に加え,航空レーザ計測データから作成した地形表現図を活用し,微地形の判読や事業優先箇所の選定を行った。従来の基本図からの地形判読と比べ地形表現図の方が地形の異常・特徴等が読み取りやすく,微地形を直感的かつ明確に判断出来るため,判読漏れ,判読ミスの軽減につながった。その結果,事業区域の災害前兆となる微地形を確認することが出来た。また,現地踏査の際も微地形判読の箇所を優先して確認することが出来,現地踏査の基礎資料としても有効性が確認出来た。 これらの結果から,現地の微地形や災害形態を考慮した施設配置を行ったので報告する。