抄録
100年以上にわたって山地災害の防止に取り組んできた治山事業は,これまで大きな成果を上げ,我が国の国土保全と国民の安全・安心の確保に貢献してきた。一方で,近年の気候変動の影響により降水形態が激化し,山地災害の激甚化やその発生形態が変化しており,治山対策は新たな課題に直面している。
こうした中,林野庁では令和2(2020)年度に「豪雨災害に関する今後の治山対策の在り方検討会」を開催し,激甚化する山地災害に対応するための重点的な対策方針をとりまとめた。こうした方針等を踏まえ,「森林・林業基本計画」(令和3〈2021〉年6 月15日閣議決定)や「防災・減災,国土強靱化のための5 か年加速化対策」(令和2〈2020〉年12月11日閣議決定)等に基づき,山地災害危険地区等における対策の加速化や流木対策の強化,流域治水との連携等を推進している。