2004 年 70 巻 3 号 p. 333-342
沿岸海水中のアルカリフォスファターゼ (AP) 活性とフォスファターゼ加水分解性リン (APHP) の分布と消長を解析した。浦ノ内湾における海水中のAP活性は高水温期に高く, プランクトン態AP活性の寄与が大きいこと, 本湾ならびに野見湾, 浦戸湾および広島湾海水中には, 0.02未満~0.29μMのAPHPが溶存しており, 海域による有意な濃度差は無いことがわかった。これらのことから, 沿岸海水中のAPHPは植物プランクトンのリン源として有効に利用されることが示唆された。