日本水産学会誌
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魚礁に纏絡した逸失底刺網によるゴーストフィッシング死亡数と魚の蝟集に対する影響
仲島 淑子松岡 達郎
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2005 年 71 巻 2 号 p. 178-187

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抄録

魚礁 2 基をあい離して設置し,1 基に刺網を纏絡させた。纏絡網への罹網魚と各魚礁近傍の蝟集魚を 1,149 日間調べた。罹網魚が目撃可能な日数を別途調べた。罹網個体を目撃する確率を基にした二項分布モデルを考案し,罹網目撃数から死亡数を推定した。タイ,カワハギなどの罹網数が減少する傾向は見られなかった。供試網による年間ゴーストフィッシング死亡数を 191 尾と推定した。蝟集魚は刺網纏絡魚礁に多かったが,ゴーストフィッシング魚種の蝟集は 2 魚礁間に差がなく刺網纏絡魚礁に蝟集しながら死亡している可能性を考えた。

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© 2005 公益社団法人 日本水産学会
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