抄録
地磁気情報を手掛りに近距離回帰すると示唆されているメバル Sebastes inermis の磁気感覚を心電図条件付け法によって調べた。192,473 nT の強さの水平及び鉛直人工磁気で条件付けされたメバルは 2,533 nT まで 6 段階の水平及び鉛直人工磁気に対して有意に心拍間隔が伸びる条件反応が認められた。人工磁気 2,533 nT は地磁気水平成分と鉛直成分のそれぞれ 0.08 倍に相当する。メバルは高感度の磁気感覚をもつことは明らかで,地磁気を手掛りに近距離移動する能力を持つ可能性が示された。