長崎から北海道までの 12 地点でヒラメ稚魚の食物組成および摂餌強度の地域性を検討した。稚魚は主にアミ類,仔稚魚類,エビジャコ類,ヨコエビ類を摂餌し,ヒラメ稚魚の食物組成は主に環境中に多く出現したアミ類で占められていた。環境中のアミ類の出現種および分布量は 1~10 種,3.0~1712.8 mg/m2 と変化し,主要種は地点によって変化した。全ての餌に対する胃充満度とアミ類生物量との間に一定の関係は認められなかったが,アミ類のみの胃充満度は生物量約 200 mg/m2 までは生物量に対応して増加した。アミ類生物量はヒラメ稚魚の食物組成と摂餌強度に影響を与えると考えられた。