2007 年 73 巻 1 号 p. 18-31
伊勢湾のシャコの個体数,生物量の季節・年変動および個体数の時空間分布,浮遊幼生と稚シャコの出現時期を調べた。個体数と生物量は,夏季の貧酸素水塊によって減少し,秋季から翌年の春季にかけて再び増加した。浮遊幼生は主に夏季から秋季に出現し,稚シャコには早期発生群と晩期発生群が認められた。多くの年で早期発生群に由来するコホートが秋季に平均体長約 50 mm で加入した。早期発生群の加入がない年には,翌年のシャコの個体数が少ないことから,伊勢湾のシャコ個体群の形成には,早期発生群の加入の成否が大きく影響すると考えられる。