2007 年 73 巻 3 号 p. 487-494
東北地方太平洋岸沖(東北海域)におけるズワイガニの成長を,甲幅組成解析等により調べた。2001~2005 年の雄の甲幅組成は平均甲幅 27~93 mm の 6 齢期群に,雌では 30~77 mm の 5 齢期群にそれぞれ変換され,成長速度は雌雄でほぼ同様であった。最終脱皮割合は,雄で甲幅 110 mm,雌では甲幅 76 mm でほぼ 100% に達していた。雄の齢期別甲幅は日本海における知見とほぼ同様であったが,最終脱皮割合は全ての甲幅で東北海域のほうが高かった。東北海域に大型の雄ガニが少ないことが知られているが,その要因の一つとして日本海との最終脱皮サイズの違いが考えられた。