静岡水試富士養鱒場で継代選抜中の IHN 耐病系統から得られた 2 系統の第一卵割阻止型クローンを用いて形質の評価を行ったところ,耐病性および再生産形質は異なる特徴を有していた。すなわち,RT92H10 は IHN に対する抵抗性が高いもののビブリオ病に対する抵抗性が低く,RT92H04 はその反対であった。再生産形質について RT92H04 では成長は遅いが 2 年で成熟し,RT92H10 は成長は比較的早いものの成熟までに 3 年を要した。以上の結果から,これら 2 系統は育種素材や免疫学的実験魚としての利用が期待された。