日本水産学会誌
Online ISSN : 1349-998X
Print ISSN : 0021-5392
ISSN-L : 0021-5392
報文
染色体操作により得られたニジマス 2 系統の耐病性ならびに再生産形質に見られた差異
望月 万美子阿久津 哲也鴻上 繁岡本 信明吉水 守
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 73 巻 5 号 p. 844-850

詳細
抄録

静岡水試富士養鱒場で継代選抜中の IHN 耐病系統から得られた 2 系統の第一卵割阻止型クローンを用いて形質の評価を行ったところ,耐病性および再生産形質は異なる特徴を有していた。すなわち,RT92H10 は IHN に対する抵抗性が高いもののビブリオ病に対する抵抗性が低く,RT92H04 はその反対であった。再生産形質について RT92H04 では成長は遅いが 2 年で成熟し,RT92H10 は成長は比較的早いものの成熟までに 3 年を要した。以上の結果から,これら 2 系統は育種素材や免疫学的実験魚としての利用が期待された。

著者関連情報
© 2007 公益社団法人 日本水産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top