2008 年 74 巻 1 号 p. 36-44
相模湾砂質浅海域の底魚群集構造を明らかにするために,水深 10 m~20 m において底魚類を採集した。種多様性と生物量は春~夏に増加した。種組成に基づいてクラスター解析を行ったところ,約 80% の標本が,埋在性ベントスを摂食するササウシノシタが優占し,種数も生物量も少ない群集によって構成されていた。しかし,主に 5 月から 6 月にかけては,アミ類や表在性ベントスを摂食するサビハゼが優占する群集が出現した。この季節的な群集の変化を 30 年前のデータと比較したところ,生産構造に大きな変化がないことが示された。