山口県馬島沿岸でのアマモとカシパン類の種間関係を明らかにするため,春期に分布調査を実施した。ハスノハカシパンはアマモが低密度の区画で 30 個体/m2 と高い密度で生息し,アマモが 200 株/m2 の区画では 4 個体/m2 であった。春~夏に水槽内同居実験を実施したところ,ハスノハカシパンとスカシカシパンはアマモを移植していない場所に多く出現した。また,アマモへの接触は認められたが,倒して枯死させることはなく,草体は順調に生育した。以上のことから,両種とアマモの分布域をめぐる種間関係は中立であると考えられた。