74 巻 (2008) 6 号 p. 1037-1042
広島湾と周防灘の底質の特徴について,それぞれ 5 年間の採泥調査の結果を用いて比較した。含水率(WC)および有機物の指標となる強熱減量(IL)は,周年にわたり周防灘よりも広島湾の方が有意に高かった。また,酸揮発性硫化物量(AVS)も冬と春に広島湾の方が有意に高かった。WC と IL が両海域とも季節変動がほとんど見られなかったのに対し,両海域とも AVS は秋に最高値,酸化還元電位(ORP)は夏から秋に低下することが明らかであった。これら両海域の底質の違いについて,社会的背景,両海域の利用形態および海洋学的構造の違いによって考察した。