本研究では,動物の行動を加速度記録から再現できるかどうか評価することを目的に,飼育下のキタオットセイに加速度データロガーを装着して得られた記録と,ビデオ記録による動物の動きを照合した。この結果,加速度記録から前ヒレの打ち下ろし(ストローク)の 93% を抽出することができ,餌追跡や捕食時には遊泳速度の上昇や,大きな体軸角度の変化,高いストローク頻度が記録できた。これらの知見を野生のアシカ類から得られた行動データに応用することで,遊泳コストの見積もり,餌追跡や捕食の回数を計測することができると考えられる。