琵琶湖でニゴロブナの放流事業を実施するうえで効果的な種苗放流技術を検討する基礎資料を得るため,本種仔稚魚の成長や流水トレーニングに伴う遊泳速度の変化を調べた。その結果,標準体長(SL)約 16 mm までは突進速度が増加した。稚魚(SL 16 mm≦)になると巡航速度が急速に増加し,遊泳能力が著しく向上した。これらから,SL 16 mm が重要な放流基準の一つになると考えられた。また,流水トレーニングにより突進速度は増加したが,オオクチバスのいる池や琵琶湖へ放流した後の生残率は止水飼育した種苗と差がなかった。