2011 年 77 巻 1 号 p. 15-22
本研究は,東シナ海におけるウルメイワシの成長や成熟特性を求めたものである。月別の体長組成から年齢毎に正規分布を仮定して平均体長を求め,成長曲線を推定した。その成長式は BLm=244.8[1−exp {−0.10(m−0.55)}] で表された。ただし BL および m は被鱗体長とふ化後月数である。鱗による年齢査定と耳石による日齢査定からも本結果を裏付けた。生殖腺を組織学的に検討し,産卵期間は 12 月から 6 月であり,産卵期間中に複数回の産卵を行うことが明らかとなった。成長式と体長・成熟率の関係から推定して雌雄とも満 1 歳から産卵もしくは排精することがわかった。