日本水産学会誌
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ニゴロブナ Carassius auratus grandoculis 仔魚が琵琶湖の発達したヨシ帯岸辺付近へ蝟集する要因
藤原 公一北田 修一
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2011 年 77 巻 5 号 p. 853-861

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抄録
琵琶湖沿岸の発達したヨシ帯の岸辺付近は,溶存酸素濃度が著しく低いが,水温が高く,ニゴロブナ仔魚の餌になる微小甲殻類が多い。本種仔魚はこの水域に蝟集する。その要因を 2 種類の忌避/選好試験装置を用いて検討し,本種仔魚は貧酸素を忌避せず,高水温を選好し,遮光環境を著しく忌避し,微小甲殻類に強く誘引されること,およびヨシ帯の外縁の水より微小甲殻類を多く含む奥部の水を選好することが判った。本種の増殖のために育成場の造成や放流場所の選択を行う場合,これらの生態および環境条件を加味することが不可欠である。
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© 2011 公益社団法人 日本水産学会
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