日本水産学会誌
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響灘蓋井島のガラモ場に出現したアイゴ成魚の餌利用—大型褐藻類の採餌との関連—
野田 幹雄大原 啓史浦川 賢二村瀬 昇山元 憲一
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2011 年 77 巻 6 号 p. 1008-1019

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抄録

多種混生のガラモ場に出現したアイゴ成魚を昼間水中銃で採集し,胃と腸の内容物の分析と餌としての大型褐藻類の評価をした。胃内容物の重量組成では大型褐藻類が夏に 45% と秋に 74% を占め,ホンダワラ類数種の選択的採餌が示唆された。動物も胃で夏に 18% と秋に 14% を占め,固着動物が優占し,腸内容物の分析では浮遊性動物も重要であった。また,固着動物及び小型甲殻類の各々と大型褐藻類の摂取量の間に相関はなかった。本種は動物性餌料を重要な栄養源としながらも,大型褐藻類自体の採餌のために藻場を利用すると考えられた。

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© 2011 公益社団法人 日本水産学会
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