日本水産学会誌
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干潟の炭素・窒素循環におけるスナガニ類の役割
大園 隆仁三浦 知之
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2012 年 78 巻 2 号 p. 220-229

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抄録

宮崎港一ツ葉入り江でスナガニ類の炭素・窒素摂取量を求め,干潟の物質循環における役割を検討した。ハクセンシオマネキ,チゴガニ,コメツキガニは,各 3500, 1500, 20750~26750 m2 の広さに生息し,砂団子排出量が各最大 944, 486, 2266 g m−2 d−1 であった。底質は,炭素・窒素量が 5.0 mg Cg−1, 0.5 mg Ng−1 以下で,砂団子との差分が 5~80% であった。3 種の摂取量は,各最大 3.36, 0.18, 1.67 g Cm−2 d−1, 0.416, 0.024, 0.086 g Nm−2 d−1 と算出され,入り江全体では 13 kg Cd−1, 1.4 kg Nd−1 程度と推定された。

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© 2012 公益社団法人 日本水産学会
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