東京大学大学院農学生命科学研究科
近畿大学大学院農学研究科
2012 年 78 巻 3 号 p. 468-478
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本研究では,水産物の流通システムについて,広く流通する 6 魚種を対象に,非対称価格伝達分析の手法を用いて,価格形成の面から分析した。魚種,流通段階,期間の 3 視点から分析した結果,消費地市場において,マイワシやカツオに関しては非競争的環境に,またマダイやサンマに関しては財の性質に,それぞれ起因する市場の歪みが生じている可能性が示唆された。小売市場においては,腐敗特性をはじめとする水産物の財の性質によって,特にサンマ以外の魚種で,小売店に不利な形で価格形成が行われている可能性が示唆された。
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