2013 年 79 巻 4 号 p. 638-648
標準体長(SL) 3.1~7.7 cm のイカナゴ当歳魚について,周波数 120 kHz におけるターゲットストレングス(TS)を姿勢角±30°の範囲で測定した。音響理論散乱モデルで推定した理論 TS と比較すると,姿勢角 0°付近で最大値 −68.8~−60.8 dB(実測)及び −68.7~−61.5 dB(理論)を示した。実測値と理論値の差は −1.6~0.9 dB と小さく,特に±10°のメインローブの範囲でよく一致した。採集海域の条件で推定した最大 TS と SL の関係は TS=43.1 log SL−96.1 となった。