サロマ湖等で度々発生するホタテガイの大量へい死は,生息環境の変動ストレスが一因とされるが,十分に解明されていない。そこで貝の活力とエネルギー成分の関係を明らかにするため,貝に各種ストレスを負荷し,活力と閉殻筋 ATP およびアルギニンリン酸量を測定した。その結果,高水温と低塩分飼育では活力低下および ATP 量減少に先行してアルギニンリン酸量の有意な減少が認められた。無酸素および振動流下でも活力低下に伴いアルギニンリン酸量が有意に減少し,アルギニンリン酸量が貝へい死の有用な予測指標であることが分かった。