閉鎖性内湾の児島湾において,水位変動に伴う貧酸素の動態を調べた。夏季の湾奥の海底直上と海底上 1 m の DO は 1.6±0.9 mg L−1 と 2.7±0.8 mg L−1 となり,両者には有意差が見られた(p<0.01)。海底直上の DO は下げ潮時に低下し,干潮時頃に極小値を示した。その後,上げ潮時には DO は上昇し,満潮時頃には極大値を示した。同湾では水位の変動に伴って間欠的に貧酸素化し,DO は 6 時間の間に 3 mg L−1 変化した。現行の散発的な採水調査では貧酸素を正確に把握できない可能性が示唆された。